他人の言葉に左右されたり、「お前はできないやつだ」などとレッテルをはられるとストレスになり自己肯定感が下がってしまいます。他人の言葉によってうろたえてしまって自分自身の評価を下げて自信がなくなるものです。
今回は他人に振り回されないためにはどういった考え方をすればいいか、どのような対処方法があるかを解説します。
「他人の言葉に惑わされ、傷ついてしまう」
「どうでもいいことでつい相手にマウンティングしてしまう自分がいや」
「やる気がなく仕事を丸投げする上司にイライラしてしまう」
「過去にあったトラブルをいつまでも引きずってしまう」
「社外人脈づくりに活発な同期と自分を比べて焦る」
この5つを例題として解説していきます。
ポイントになることは「物事をシンプルに考えて自分で決定すること」「マウンティングは劣等感から、過去の自分とだけ比較してエネルギーに」「丸投げされたら自分の能力を発揮するチャンス」「トラウマは別のことに集中して新しい経験をして解消」「大切な決定は自分で行う」です。
それではみていきましょう。
他人の言葉で自分の人生を決めない
「他人の言葉に惑わされ、傷ついてしまう」という悩みは、極端な言葉を使えば、「他人に自分の生き方を支配されてしまう」ということです。このような悩みを抱える人は多くいますが自分自身を否定する他人の言葉に心を揺らされることは、ストレスで自分自身を見失ってしまうことに繋がります。
「おまえはできないやつだ」と言われたりレッテルを貼られたりすると、自分自身がそのように思い込んでしまい、その言葉に縛られることがあります。
「おとなしいね」と言われたことで、ますます社交的でなくなってしまったり、「そんな性格じゃ駄目だよ」と言われたことで、自己肯定感が低くなってしまったりすることもあります。
ただ、実際には自分が仕事や恋愛で積極的にならなくても良い理由を、他人の言葉に依存している場合があるかもしれません。そういった場合は、その言葉に縛られずに自分自身がどのように行動するかを決める必要があります。
自分自身の可能性を信じ、自分が望む人生を手に入れるためには、他人の言葉に惑わされるのではなく、自分自身が自己評価を高め、自己肯定感を持つことが大切です。自分の人生を他人にコントロールされては自己肯定感はとても低いままでしょう。
自分で決定することを避け、他者からの評価に自分を委ねてしまっているため、自己決定の放棄になってしまいます。しかし、他人は私の人生の責任をとってはくれません。私たちは、自分の人生を自分で切り拓かねばいけません。
シンプルに生きることで自己肯定感アップ
「自分の人生は、自分で決める」ということを忘れてはいけません。他人からの評価や言葉によって、自分自身が傷ついてしまうことは、本当にもったいないことです。他人というのは、時に勝手であり、思い込みや偏見であなたを評価することがあります。このあたりのことは「自己肯定感を下げてくる人に振り回されない方法」で解説しています。
しかし、その言葉に囚われてしまうと、あなたの人生は、他人に支配されてしまうことになります。あなたが取るべきは、シンプルに考えて生きるということです。他人の言葉に左右されず、自分自身が納得できる人生を歩むことが大切です。
他人からのストレスな言葉に対して、あなたがどう反応するかは、あなた次第。自分自身で決定することを避け、他者からの評価に自分を委ねてしまっているのではないでしょうか。自分自身で道を切り開き、自己決定をすることで、自分の人生を豊かなものにすることができます。
自分の人生を自分で決めることは、シンプルでありながらも大変なことです。心理学では割り切りのできる生き方こそが、シンプルで幸せな生き方であるとされています。もちろん、そう簡単にはいかないかもしれません。自分自身の思い込みや偏見を乗り越え、自分のなかに芯を確立することが必要です。
マウンティングの対処法
「どうでもいいことでつい相手にマウンティングしてしまう自分がいや」という悩みに直面したことはありませんか?人間は、他者との違いを比較し、自己評価を上げることを求める傾向があります。しかし、このような行動は、自己評価の低下や人間関係の悪化を引き起こす可能性があります。
人間は自己評価を高めるために、他者と比較しようとする傾向があります。しかし、自分と他者を比較して自己評価を上げることに執着すると、過度な競争心や優越感、劣等感などが生まれ、自分自身を追い詰めてしまうことがあります。
マウンティングは劣等感から引き起こされる
「マウンティング」とは、自分が優れていると思い込んでいることを、他人に誇示する行為のことを指します。しかし、その背景には劣等感が存在し、その劣等感から逃れたいという心理が働いている場合が多いと言われています。
人間は、自分と他人を比較して、優劣をつけたがります。それ自体は当然のことであり、自分の能力やスキルを測る上でも必要不可欠な要素です。しかし、その比較によって自分が劣っていると感じた場合、劣等感が発生し、自分自身に対する不安や焦りを感じることになります。
こうした劣等感から逃れるために、人はマウンティングを行なうことがあります。自分が上の立場だと感じた相手に対して、自分が優れていると思い込んで、それをアピールすることで自分自身を安心させようとするのです。こちらに関しては「嫉妬するときはこんなとき 私は上であなたは下」で解説しています。
しかし、この行為は、相手を傷つけるだけでなく、自分自身にも悪影響を与える可能性があります。
例えば、自分に自信がなく、自分を肯定できない人は、マウンティングを行いやすい傾向があります。そのような人は、相手に対して優越感を示すことで、自分自身に対する不安を和らげようとしてしまうのです。しかし、自分自身に対する不安や劣等感をごまかすために、他人を攻撃する行為は、長期的には自分自身にもマイナスの影響を及ぼすことになるでしょう。
比較は他人とするのではなく過去の自分とすれば自己肯定感が上がる
劣等感を他者に向けることで得られる優越感は、結局のところ、ごまかしでしかありません。劣等感を他者と比較することでなく、自分自身に向けたエネルギーとして活用することができます。
例えば、自分の目標と現実の差を比較し、目標達成のために自分がどう行動するべきかを考えることで、劣等感を解消することができます。また、仕事や受験において、優秀な友人と比較してしまうことがあるかもしれませんが、そのような比較は必要ありません。
自分が目標達成するために何をすべきかを自分軸で考え、自分自身にフォーカスすることで、劣等感は自己成長のためのエネルギーに変わります。
劣等感を厄介なストレスではなく、成長や努力の刺激として捉えるべきです。劣等感は頑張るためのエネルギーにもなるのです。劣等感については「劣等感の正体」でも解説していますのでご覧になってください。
他人との違いを受け入れ、協力関係を築くことで、劣等感をエネルギーに変えることができます。違いや差を認め、相手の得意分野を活かして協力することで、お互いが成長し、共に成功をつかむことができます。
ですから、劣等感を否定するのではなく、劣等感を成長や努力のエネルギーに変えることが重要なのです。
どんな状況も自分の捉え方次第で自己肯定感はアップ
「やる気がなく仕事を丸投げする上司にストレスでイライラしてしまう」という悩みを抱えている方も多いかもしれません。しかし、上司の態度にとらわれることなく、自分自身のやりがいを重視してみることも大切です。
一般的に、上司には二つのタイプが存在します。1つは、個性を尊重した仕事の任せ方をする、部下に信頼を置くタイプです。2つ目は、自分自身の出世には興味がなく、仕事を押しつけた後は任せっきりにするタイプです。前者は部下から好かれ、後者はストレスで嫌われる傾向があります。
しかし、実際には、部下に仕事を任せっきりにすること自体は、1も2も同じです。部下に信頼を置いて任せるタイプであっても、自分自身の出世には関心がないと諦めているタイプであっても、仕事を押しつけた後は部下に任せっきりにすることは同じです。
また、上司の性格を変えることは困難ですから変化を期待することもしてはいけません。こちらに関しては「他人は変えられない 自分を磨いて怒らないように」で解説しております。
自分自身がどう捉えるかが問題
心理学的に見れば、上司が仕事を丸投げしてくることが良い上司か悪い上司かを決めるのは、自分自身なのです。なぜなら、1の上司も2の上司も、部下が活躍する場を提供してくれていて同じ状況だからです。
「丸投げ」という行為には、余計なお世話をされたり、妨げられたりすることがないため、実は仕事を任された側から見ればありがたいことでもあります。つまり、仕事を丸投げする上司は、どちらのタイプも素晴らしい上司だと言えます。
特に2のタイプの上司に対して腹を立てる人たちは、仕事に対するモチベーションが高く、上司の態度に不満を持っているのかもしれません。しかし、こうした状況を好ましいものと捉えることもできます。なぜなら、上司の態度に気を取られるよりも、自分自身の仕事に対するやりがいを重視することが大切だからです。
「態度が気に入らない」という小さな問題でストレスを抱えるよりも、自分にとっての仕事のやりがいを見つけることが重要です。「丸投げ上司」が部下に与えるチャンスは、自分自身の能力を発揮するためのものです。
仕事に対するモチベーションが高く、やりがいを感じているのであれば、「仕事を任せてもらってありがたい。指示されることもなく最高だ」という気持ちになるはずです。
つまり、上司の問題ではなく、自分自身がどのように感じるかという問題なのです。上司に仕事を丸投げされたときには、それを能力を発揮するチャンスととらえ、自分自身で仕事にやりがいを見つけましょう。
トラウマの克服法
「過去にあったトラブルをいつまでも引きずってしまう」という悩みに悩んでいる人は、自分自身が過去の問題に縛られていることを自分で選択していることになります。つまり、問題を気にし続けているのは、自分自身であり、それ以外の誰でもありません。
一方で、相手側は問題について全く気にしていない場合がよくあります。相手はその問題すら覚えていないこともあるでしょう。人々は自分自身に集中しており、他人にはそれほど興味がありません。
また、過去のいざこざは過去のことであり、今の自分とは異なる人間であることがよくあります。しかし、過去の問題を引きずることで、自分自身に対して過剰なレッテルを貼ってしまっているということになります。
もしそれば成果や結果を残せないのが原因なのだとしたら「なんで自分は自信がないんだろう 自己肯定感が低い理由」の記事が参考になります。
トラウマは新しい体験で上書き保存
つらい出来事や記憶にとらわれ、それをどうにか忘れようとしても、ついつい思い出してしまい、苦しんでしまうことがあります。この対処法としてはつらい記憶に対して、別の事柄で頭をいっぱいにすることで、上書きをして消してしまうことができるということです。
つらい記憶にとらわれているときには、別のことに集中することで、その記憶を薄れさせることができるというわけです。もちろん、それぞれの人によって効果は異なるでしょう。しかし、考え続けることが苦しいと感じたときは、別のことに意識を向けてみることもひとつの選択肢として考えてみると良いでしょう。
人間は何かを忘れようとするほど、その記憶が強く残ってしまうことがあります。過去のトラブルやつらい経験を思い出すたびに、苦しい気持ちやストレスを感じ、心が傷ついてしまうことがあります。
「どうすれば過去を乗り越えられるか」と悩んでしまうこともあるでしょう。しかし、その悩みを抱え込んでいるだけでは、過去から解放されることはできません。新しい経験をして前に進むことが大事です。
そして、恋愛でも友達でも仕事でも、過去を引きずらない「上書き保存タイプ」の人が、過去を引きずる人よりも前向きであることがわかっています。つまり、過去を乗り越えるためには、新しい恋愛や出会いを通じて、前向きな気持ちで生きることが大切なのです。
職場で求められているのは仕事の成功
過去のいざこざを引きずっていると、ストレスや不安を感じてしまうことも少なくありません。例えば職場の仲間といざこざがあったとしても一生の付き合いではなく友達でもありません。会うのは仕事場だけです。
職場の同僚とのいざこざが、今後の人間関係に影響を及ぼさないのであれば、特に問題はありません。異動や転職によって、関わることがなくなる可能性もあります。
仕事を成功させるためには、目標を共有し、チームワークを発揮することが大切です。しかし、同僚と心から仲良くすることが、仕事の成果に直結するわけではありません。
大切な決定は自分自信で行うことで自己肯定感アップ
「社外人脈づくりに活発な同期と自分を比べて焦る」という悩みについて、その解決策を考えてみたいと思います。
まず、「大切なことを決めるのはあなた自身」であるということは言うまでもありません。自分が何を目指し、何を大切にするかを自分で理解することが、他人の評価や比較に左右されない自己肯定感を得るための第一歩となります。
他人と比較して自分が焦ったり落ち込んだりするのは意味がありません。他人の表面的な成功や魅力に惑わされることなく、自分の人生における真の目的を見つけることが重要です。「嫉妬しない方法とは 嫉妬は人を苦しめる!」でも解説しています。
しかしながら、人脈づくりが、仕事においては重要な意味を持つことも事実です。同期を見て焦るということは、人脈が今後自分にとって必要な要素だと感じている可能性があるということです。その場合は、自分自身の職業上の目標を明確にし、それに必要な人脈をどのように築くかを考えることが大切です。
社外の人脈は、転職において役に立つことがあります。現在の職場での生活が永遠に続くわけではありません。将来的に転職を考えることがあっても良いでしょう。転職を考えることで自分の価値を高め、仕事の満足度を上げて、会社に貢献することができるかもしれません。
社外の人脈は、「転職した場合、より良い働き方ができるかどうか」をチェックする大きな参考になります。また、違う環境で働く人の話を聞くことで、仕事に良い影響を受けることもあります。
しかし社外の人脈に興味がなければ、無理やりつくる必要はありません。考え方次第では、社外の人脈があることで優越感に浸りたくなったり、会社で嫌なことがあった時に、それを忘れるために社外の人脈を重視して逃げ出すことがあるかもしれません。
興味があるなら力をいれてみるのも自信になる
会社の外で人脈をつくって、大事にしたほうがいいというアドバイスも、何もしなければ、必要性が分からないままで終わってしまいます。それで焦ってしまうのなら、一度本気で社外の人脈づくりに取り組んでみるのも、良いかもしれません。
「社外人脈が大事なのか」と悩んでいるだけでは、何も始まりません。アドバイスをくれた同僚をモデルにして行動してみると、その意義が分かるかもしれません。その結果「自分には必要ない」と判断することもあります。
自分の行動は自分で決めることができます。やってみたい、試してみたいという感情があれば自分自身の活動を決定することができるのです。そうすることで、他人の行動に焦ってしまうこともなくなるでしょう。
いずれにせよ、行動しなければ何も分かりません。自分に必要なのかどうかを決めるのは、上司でも先輩でも同僚でもありません。あなた自身であるのです。
まとめ
いかがだったでしょうか。他人に振り回されないための考え方を紹介いたしました。
ポイントになることは次にまとめてみました
他人の言葉に依存するのではなく自分のやりたいことを理解して自分で行動する
マウンティングは上には上がいてきりがない。比べるべきは過去の自分でエネルギーの源にして
どんな物事にもいい捉え方と悪い捉え方がある。困難な事象は自分を成長させるいい機会と考えて
つらい記憶がある人は忘れようとするのではなく、新しく熱中できることを見つける
自分の人生に責任を持ってくれない他人に振り回されるのではなく自分の人生を自分で決める
他にも下記のようにストレスとうまく付き合って自己肯定感を高める記事がありますので参考にしてみてください。
心理カウンセラーの近江ひかり(オウミヒカリ)といいます
感情の研究や心理学に没頭。
心理カウンセラーとして長年の経験を生かしてブログを書いています。
なにか理由がわからないけどしんどいなぁと感じるときは心の悩みかもしれません。
自分という存在を解放して自分が好きになれたら人生が楽しくなります。
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