自己肯定感を高めるのはみんなに貢献しているという意識と自立

ストレス耐性

今回は自己肯定感を高めるための方法の一つである共同体感覚というものと勇気づけという言葉をキーワードにして解説しています。どちらも聞き慣れないと思いますが理解すると自己肯定感がとても高まりますので例を踏まえて採り上げました。

共同体感覚は家庭や職場などの集団の中で人とつながっているという肯定感、勇気づけは苦しくつらい事態を克服するエネルギーを与えることです。

家庭と仕事はどちらかにエネルギーを偏らせると不満が出て自己肯定感は低くなります。人間関係をよくするためには自分から関係を改善したいという意思を示すことが良い方法です。

また、褒められたいから頑張るという意識は他者の意思に左右され自己肯定感が下がります。自分に勇気づけをできる自立した人間になることが大事で、そのためには小さな目標をつくって達成を繰り返すことで自己肯定感が高くなります。

それでは細かくみていきましょう。

仕事と私はどちらが大事?は不満の解消が目的

「仕事と私、どっちが大事?」という問題はよく聞きますよね。この問題の本質はどちらが大事という答えではなく「不満が溜まっている」ことです。こういった状況からは「家庭や職場などの集団の中で人とつながっている肯定感」である共同体感覚を身につけ、正義の押し付けを避けることが重要です。

忙しい今の社会において、仕事とプライベートのバランスは、多くの人にとって最大のテーマの一つとなっています。しかし、どちらが重要かということはなく、両方が大切であることは「心がくじけてしまったときの対処方法 」で解説しています。したがって、重要なのは両方をバランスよく取り入れることです。

もし、家族や恋人から「仕事と私、どちらが大切?」と聞かれたら、即答でかまいません、「あなたが大切だよ」と答えることが大切です。相手も、この質問がおかしいことを自覚しているはずです。

仕事にばかり時間を費やしていると、相手は不安に思ってしまいます。不安に思っている状況で論理的な説明をしても話がややこしくなるだけです。相手が求めているのは、不安を解消することです。ですから、はっきりと「あなたが大切だよ」と答えて不安を解消することが大切です。

相手が求める答えに合わせることで自己肯定感は上がる

仕事と家庭の比較はできないものです、どちらも大事でそれをうまく説明することは難しいでしょう。この問いに真剣に考えていても建設的ではありません。相手が求める答えを言うことで、会話を円滑にすればいいでしょう。

奥さんから「仕事と私、どっちが大事なの?」と聞かれたら、「お前に決まってるじゃないか」とはっきり答えることで、不安や心配を解消しましょう。上司から「お前は有給とってばかり、休みと仕事とどっちが大事なんだ」と聞かれた場合は、「仕事です」と答えましょう。

これは、嘘をついているのではなく、どちらの答えも嘘とも本当ともとれます。相手が求める答えに合わせることはどちらも正解なのですから問題ありません。嘘をついたと罪悪感で自己肯定感を下げることもありません。

また、家庭をより充実させるためには、仕事に打ち込むことが必要な場合もあるでしょう。仕事を充実させるために休日を相手のためだけに使うこともあるでしょう。

重要なのは「意味のない勝負をしない」ということです。自分の考えを熱弁して、自分の考えが正しいことを証明することには、あまり意味がありません。

自分の正義を互いに押し付け合う意味のない勝負から早急に降りて、有益で建設的なものを考えることが求められます。勝負をおりてその場その場で家庭が大事、仕事が大事と答えれば無駄な争いから逃れて自己肯定感を高くいましょう。

良い関係を作るには自分から始めること

「仕事相手に嫌われているみたいだけど理由がわからない…」という悩みがあります。仕事でも友達でも良い関係をつくることは難しいものですが心を開いた勇気づけを意識することでうまくいきます。勇気づけは「「あなたのため」という叱り方はイライラして怒っているだけ」で解説しておりますのでご覧ください。

自分が嫌われているという感覚は、本当に正しいのでしょうか。もしかしたらあなたが勝手に思い込んでいるだけかもしれません。また、仕事相手に嫌われているかどうかは、仕事において本質的な問題ではありません。

大切なのは、自分が持つ仕事をしっかりこなしてうまく進めることです。仕事に集中し、誠実な態度を貫いていれば、嫌われていても問題はないはずです。

それでも自己肯定感が下がって気になってしまうという場合、自分が共同体感覚に必要な3要素、「自分を受け入れること」「相手を信頼すること」「相手に貢献すること」のうち、相手を信頼する力が弱っているかもしれません。

相手を信頼することは、共同体感覚を築く上で重要な役割を果たします。「理解を求めるのではなく自分から理解することで自己肯定感が上がる」で説明したように、相手を信頼することを高めるには、相手の視点に立って考え、共感を示すことが必要です。

また、自分自身もいまのできる自分もできない自分も受け入れて、自信を持って行動することで、相手を信頼することを高めることができます。仕事に取り組む姿勢を見直し、共同体感覚を養うことで、自然と人間関係が改善されることでしょう。

他人に嫌われていると認められず、相手を信頼することができず、相手の役にたっているとも思えないから「嫌われていること」に対して過剰に気にしてしまうことになっています。このようなときは下記の考え方をしてみましょう。

心理学でいう「課題の分離」が解決のヒントになります。詳しくは「自立した人間になりシンプルに考えることで自己肯定感が上がる」で解説しています。「課題の分離」とは、自分がやるべき課題と、相手がもっている課題を明確に分けて考えることです。自分でできることと、できないことを区別することも重要です。

相手があなたを嫌っていると感じることは相手の課題ですから、あなたには変えることができないどうしようもないことです。あなたがやるべき課題は何かというと、より良い関係を作っていくことです。

良い関係をつくりたいと自分から伝える

「嫌われている」と感じることは、つらいものです。でも、自分自身がそう感じることによって、相手にとってもうまくいっていないと思われてしまい、悪循環に陥ってしまいます。

「嫌われている」場合は、信頼できる周りの人に相手と自分の関係がどう見えるか尋ねてみることも有効です。傍目から見た場合、そこまで悪くないという結果も出るかもしれません。「そんなこと気にしていたの?」と驚かれることもあるかもしれません。

もし嫌われていることで仕事の妨げになってしまっている場合は、相手にアプローチしてみる必要があるかもしれません。そのときは「あなたともっと建設的な良好な関係を築きたい」という意識でいましょう。相手に対して、自分から関係を改善したいという意思を示すことで、相手も心を開いてくれるでしょう。

自分自身が先陣を切って行動することで、相手も良好な関係を築きたいという気持ちになることが多いのです。相手に対して「嫌われているみたいだけど、どうしよう」と思っているだけでは何も進展しません。まずは自分自身が心を開いて、相手に対して積極的なアプローチをすることが大切です。

良好な関係を築くことは、仕事だけでなく人間関係全般において非常に重要です。自分から始めることで、相手との交友関係を改善し、良い結果を生み出すことができます。

他者に依存するのではなく自己肯定感を高くすることが自分への勇気づけ

「他人から褒められなくて、やる気が出ない」という悩みを抱える人がいますが、自分を勇気づけることで自己肯定感が高くなります。勇気づけは、人の心を折れにくくし、建設的な行動に導くために重要視されます。

自分を褒めることで自己肯定感を高め、内側からやる気を引き出し、自分自身が行動を起こす原動力となるのです。「褒められたいから頑張る」という依存的な状態から脱し、自分自身が自分を勇気づけることができる人間になります。

自立した人間とは、自分自身を勇気づけることができる人のことです。反対に他者から褒められるために行動して自分自身の意欲や動機づけが不十分な人、つまり褒められないとやる気が出ない人は自分自身がまだ未熟な状態にあることを意味します。

自分の人生を自分で生きるためには、他人からの褒め言葉に頼らないで、自立して行動する必要があります。他人からの褒められるために行うことは他者に依存しているということです。自分の人生をいきることとは反対の行為です。

また、もし相手を勇気づけるつもりで褒め言葉を送っているなら、それが「縦の人間関係」を作り出しているということに注意が必要です。褒めるという行為は相手を支配しようとする意識の表れであり勇気づけにはなりません。

小さな目標をつくって達成する喜びを記憶して自己肯定感を上げる

人は誰しも、自分が認められたいという承認欲求を持っています。この欲求は、心理学においても重要な要素であることが認められています。深く見ると承認には自己承認と他者承認の2つの種類があり、他者からの承認に頼ることは危険です。

「自分はいまのままで良いと感じる」自己承認は自己肯定感を育むうえでもとても大事になりますが「自分で自分を褒める」ということは、自分で自分を勇気づけ、自立を促し、やる気を引き出してくれます。

自分自身の行動や生き方を決めるために、自分を褒めることは一見して自己満足だと感じるかもしれませんが、他者から褒められることばかりに気を取られるよりも、自分自身で自分を褒めることの方が良い結果を生みます。

自己承認によって、「私はすごい」とか「やればできる」というように自分自身を褒めることは、自己肯定感を高めることにつながります。その結果、自分自身に対する勇気づけや内側からやる気が生まれます。

しかし、自己肯定感を高めることは簡単なことではありません。自分自身を褒めることができず、「私には褒める要素がない」と思ってしまう人もいます。そこで、できるだけ自分自身がうまくやったことを覚えておくようにすることをお勧めします。

仕事でミスをしなかったことや、自分で作った料理が美味しかったことなど、どんな小さなことでも良いので「よくできたことメモを作ってみるのも良いでしょう。自己承認を継続的に行い、自己肯定感を高めていきましょう。

アドラー心理学では「天使のささやき」という言葉があります。これは、何か課題に直面した時に自分にささやく勇気づけの言葉のことを指します。例えば、「やってみることで自分はレベルアップできる」「失敗が怖いけど自分には勇気があるはず」といった自分自身への励ましの言葉です。一方で、「悪魔のささやき」である「自分はダメだ」「もう無理だ」と自分を責めるようなネガティブな考え方では、行動にも悪影響を及ぼすことがあります。

また「自己肯定感を高めるための方法4選」で説明していますが小さな目標をたて、結果を出すことで自己肯定感は上がります。その際は完璧主義にならず、なりたい自分を具体的にイメージすることが大切です。

ストレスがたまる理不尽な上司の対処方法

「上司からの要求が理不尽すぎる」という悩みを抱えることは、職場で働く人なら誰しもが一度は経験することかもしれません。しかし、その要求が本当に理不尽なのかどうかを判断するのは、時に難しいこともあります。そんなときは、より大きな目で利益を考えてみましょう

仕事をうまく進めるためには、相手の意見を受け入れることも必要ですが、上司の発言や行動が明らかにおかしい、理不尽だと感じることもあるかもしれません。

このような場合、上司に対して「おかしい」と感じながら、無理して従い続ける「縦の人間関係」を続けることはストレスを溜め込むことになります。そのため、上司との「横の人間関係」を築き、意見を伝え合える状況を作ることが重要です。上司との円滑なコミュニケーションが取れれば、ストレスを溜めずに、より良い職場環境を築くことができます。

ここで、自分自身が理不尽だと感じる要求が本当に理不尽なのかを判断することが重要です。自分一人の小さい目線ではなく、会社や関係者の利益を基準にすることが必要です。自分自身の価値観だけに縛られた考え方から離れ、より広く自分の部署や他部署、業界、地域、世界的な視点でみてみるようにしましょう。

会社は小さい共同体の一つ、より広い他者への貢献も考えることで自己肯定感が上がる

共同体は、単に家庭や会社だけでなく、より広い範囲で考えることが大切です。共同体の枠を広げて、上司が言うことややることの是非を判断することができます。会社では「暗黙の了解」に流されがちです。そのため、共同体の枠を広げて考えることが重要なのです。

もし上司の理不尽さが道徳に反するものであったり、より広い目線でみても利益に合わないものであれば、応じないという道を選ぶことができます。単純に理不尽だからと自己中心的な考えで上司の命令に応じないと、後で自分を傷つけることになるかもしれませんが、より広い共同体に貢献するために命令に応じなかった場合は、あなたを深く支えることでしょう。広い視野を持って他者に貢献することで、あなたの人生がより豊かなものになるはずです。

上司と部下の関係は友人としての態度が望ましいこととされています。悪いことをしている友人がいた場合、あなたは彼を止めるはずです。上司に対しても、同じように接することが大切です。

上司を仕事を共にする友人と考えると、上司の理不尽な命令は共同体の不利益になるため、その上司の出世を妨げることになる可能性もあります。仮に理不尽な命令に従ったとしても先々に問題が発覚して上司にとってより悪い方向にいってしまう恐れもあります。しかし、未来を見据えてその理由を上司に伝えることで、上司との信頼関係を築き直すこともできるでしょう。

私たちは共同体の枠を広げながら、個人的な利益だけでなく、共同体の利益を考慮して行動することが大切です。心理学に基づいた共同体の考え方を身につけることで、自分自身がありのままの折れない心で毎日を生きていくことができます。

まとめ

いかがだったでしょうか。自己肯定感を高めるのはみんなに貢献しているという意識と自立について解説をしました。大事なポイントを下にまとめました。

仕事と私はどちらが大事?は不満の解消が目的
「家庭や職場などの集団の中で人とつながっている肯定感」である共同体感覚を身につけよう
仕事とプライベート、両方をバランスよく取り入れる

良い関係を作るには自分から始めること
心を開いた勇気づけを意識
共同体感覚を養うことで、自然と人間関係が改善される
「課題の分離」とは、自分がやるべき課題と、相手の課題を明確に分けて考えること
自分から関係を改善したいという意思を示すことで自己肯定感は上がる
勇気づけは、人の心を折れにくくし、建設的な行動に導くために重要
自分を褒めることで自己肯定感を高め、内側からやる気を引き出し、自分自身が行動を起こす原動力に
自立した人間とは、自分自身を勇気づけることができる人
自分自身への励ましの言葉で自己肯定感はあがる

ストレスがたまる理不尽な上司の対処方法は より大きな目で利益を考える
自分自身が理不尽だと感じる要求が本当に理不尽なのかを判断することが重要
より広く自分の部署や他部署、業界、地域、世界的な視点でみてみる
より広い共同体の貢献で命令をうけないのは、あなたを深く支える。
上司とは横の関係を意識して悪い点も指摘。上司との信頼関係を築き直すこともできる

他にも下記のようにいやな感情とうまく付き合って自己肯定感を高める記事がありますので参考にしてみてください。

「あいつがうらやましい… -嫉妬の正体-」

「怒りという感情を知って自己肯定感をあげよう」

「なんで自分は自信がないんだろう 自己肯定感が低い理由」

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