人に振り回されずに自己肯定感高く生きるヒント

ストレス耐性

今回は自己肯定感を高めたいと思っている人に向けて人に振り回されないで生きる方法を解説します。4つの例をもとにして「普通を目指す」「レッテルを貼るとその通りになる」「性格を決めつけない」「置かれた環境をどう捉えるかは自分次第」ということをテーマにしました。

  • 「料理が苦手な自分に劣等感を感じる」
  • 「いつも失敗ばかりする部下のせいでストレスが溜まる」
  • 「気が弱い性格のせいで、頑張っても報われない」
  • 「ストレスばかりの今の仕事、もう限界」

劣等感やレッテル、決めつけなど関連する悩みについても記載しています。例の2つめの上司と部下の話は親と子に置き換えても参考になると思います。人に振り回されてしまうと自己肯定感が下がる原因にもなりますからぜひ参考にしてみてください。

普通を目指して自己肯定感をあげよう

よく「料理が苦手な自分に劣等感を感じる」ということで自己肯定感が下がることがあります。この悩みは、多くの女性にとって共感できるものかもしれません。

しかし、このような劣等感は、女子力という名で社会的に押し付けられた危険な神話に基づくものです。女性が完璧であることが求められ、そのために料理や家事など、特定のスキルや能力が必要であるという、間違った認識です。

女性としての価値を判断する上で女子力は本当に必要なことでしょうか?女性は、仕事も家事も完璧にこなさなければならないと思い込んでいる人も多いかもしれませんが、これは正しい認識ではありません。

現実には、多くの女性が多忙であり、仕事や家事を完璧にこなすことはできません。それでも、彼女たちは自分なりの工夫を凝らし、日々の生活を豊かに過ごしています。テレビやメディアでは、ステキな女性たちがよく取り上げられますが、現実には、彼女たちはまれにしかいません。

劣等感にとらわれない

彼女たちは、自分なりの方法で、自分の能力を最大限に活かし、生活を充実させているのです。あなた自身も、自分なりの方法で、自分の能力を発揮し、自分の生活を豊かに過ごすことができます。

劣等感にとらわれることなく、自分自身を認め、自分のスタイルで生きていくことを大切にしましょう。自己肯定感を高めるには「自己肯定感とは自分が大切にする「あり方」や漠然としたこれでいいんだという思いや安心感」で解説しています。

女性として自分に求められる「完璧な生活」に囚われて、仕事をしっかりこなしていても家事が苦手だと自分を責めてしまうことがあります。このような感情は高すぎる理想によって引き起こされるものです。

また、「女性なら家事は得意だろう」という考え方は、世間が押し付けてくる勝手な考え方であり、実際にはそんなことはありません。自分ができることに集中して、自分自身が大切にしていることに時間を費やしましょう。

世間があなたに対して何を求めているかなど気にする必要はありません。あなたが自分自身を大切にし、自分にとって重要なことに集中することが、より幸せな人生につながり自己肯定感が上がるでしょう。

特別である必要なんかない

それでも、理想を高く完璧に仕事も家事もこなしたいと思う人には、自分が特別だと感じたいという欲求があるかもしれません。つまり、自分に高い目標を課してしまうのは、自分が特別であることを証明したいという気持ちから来ているのです。

ただ、それは反対に、低い目標を持っていると「普通で嫌だ」と感じてしまうということでもあります。しかし、本当に人生において「特別」である必要はあるでしょうか。自分自身が快適に生きていくためには、自分自身を許容し、自分自身に合った目標を持つことが大切です。

仕事が忙しいときは、外食するのも当然のことです。家事をしていないからといって誰かを傷つけたり、人として劣っているわけでもありません。

また、世間が勝手に押し付ける「○○でなければいけない」という基準に合わせて、自分を責めたり、落ち込んだりする必要もありません。このあたりは「自己肯定感を高めるには「自分がどう見られているか」は意識しないこと」でも詳しく解説しています。

特別でなくても、自分自身が納得できる生き方をすることができます。このように、女性に限らず男性にも同様に言えることです。自分自身を受け入れ、「普通」であることを受け入れることができれば、人生はもっと楽しくなり自己肯定感が上がるでしょう。

できない部下はこうすれば変わる

例えば「いつも失敗ばかりする部下のせいでストレスが溜まっています。」という悩みがあります。しかし上司は、自分自身で、できない部下を生み出しているかもしれません。

「注意するとふてくされて黙ってしまうからどうしようもない」といった風に不満を持ち、ストレスを感じているかもしれません。しかし、その上司が抱える問題は部下の問題だけではなく上司自身が、自分の考え方について考え直す必要があるかもしれません。

上司は、部下を含めたチーム全体のパフォーマンスに責任を持っています。そのためには、客観的な視点で問題を分析し、適切な対策を講じることが必要です。部下を評価するときも、客観的な視点で見ることが大切です。

実際に、「いつも」「失敗ばかり」という表現は正確なのでしょうか?もし、その部下が1日に7回や8回も失敗しているのであれば、その表現が適切かもしれません。しかし、それは稀なケースであると思われます。だいたいは、その部下が失敗することがあっても、一日に1回程度でしょう。その場合、「失敗ばかり」という表現は適切ではありません

失敗するというレッテルが失敗する部下をつくる

「失敗ばかり」という言葉は相手の存在を否定し、少しの誤りを大げさに広げてしまっています。このような誇張により、自分自身も極端な反応を示すことがあります。「何をやらせても、あの人はダメ」というレッテルを貼ることで、失敗という行為そのものだけでなく、人格否定にまで発展させてしまうのです。

人間は、他の人から特定の評価を伴った態度で注目されたり、関心を向けられたりするほど、その評価に応じた行動をとる頻度が高くなる傾向があります。失敗も同じで、指摘されればされるほど失敗しやすくなってしまいます。

「また失敗しちゃった」「何度もやっちゃったんだよな」と気にして同じ失敗を繰り返すことになります。いつも失敗している状態が続くと、「失敗する自分」という自己イメージが固定され、部下は自分自身に烙印を押すようになってしまいます。

これでは、失敗を防ぐという目的に到達できません。つまり、「失敗ばかりする部下」を生み出しているのは、上司自身である可能性が高いのです。こちらについては学習性無力感といって「劣等感の正体」で解説していますので見てみてください。

失敗しない部下を育てる方法

部下を指導する際に、避けてはならないのが「なぜ」という問いかけです。「なぜ?」は相手が心を閉ざしてしまい、解決策を見つけられなくなることがあるからです。指導する際には原因論ではなく、目的論を重視することが大切です。

部下を注意する目的は、次の仕事を成功に導くために必要な修正や改善を行うことです。必要なのは上司がどのように支援をすれば部下が目標達成に向けて行動できるかを考え、指導することが求められます。このようなアプローチをとることで、部下は自分自身の目的に向かって行動することができ、上司と部下の間にはより良い信頼関係が築けます。

それに加え、部下が怒られることにピクピクしなくなるため、失敗を減らすことができます。むしろ、部下はそれまで出せなかった実力を発揮し、驚くべき成果を出すことができるようになるかもしれません。

重要なのは、上司が考え方と行動を変えることで、「失敗ばかりする部下」を生み出すことがないようにすることです。

決めつけをすると自己肯定感は下がる

例えば「気が弱い性格のせいで、頑張っても報われません。」という悩みがあります。しかし、自分の意思があればその性格は変えることができます。不満を誰かのせいにする考え方は危険であり、自分自身を見失ってしまう可能性があります。

「自分は同僚と比べて、上司から良くしてもらっていない。きっと、自分が気が弱いだからだ」と考えてしまう場合があります。

しかし、周囲から見たあなたが本当に気が弱いなのかはわかりません。また、上司からの扱いが実際に悪いのかどうかもわかりません。さらに、扱いが悪いのが本当でも、その理由が気が弱いだからだとは限りません。

自分の性格を決めつけて、不幸の原因だとすることは自己肯定感を下げてしまいます。気が弱い性格を変えることは可能です。自分自身に意志があれば、誰でも性格を変えることができます。不満の原因を自分の外側に求めるのではなく、自分自身を見つめ直すことが大切です。そうすれば、自分自身に合った解決策が見つかるかもしれません。

気が弱い性格で、意見を言うことができないのは、自分がそうしたいと思っていないからかもしれません。例えば、「意見を言うのが面倒くさい」と感じているから、または「言って拒否されるのが嫌だから」「面倒くさいから」という理由で、気が弱い性格になっているのかもしれません。

しかし、これはあくまでも自分自身が決めたことであり、すぐに変えることができます。

相手の顔を見ると気が弱い自分を直せる

このような人は、気持ちを内に秘め込んでしまいがちで、思ったことを口に出すことができず、ストレスをため込んでしまいます。しかし、この状態が続くと、限界に達して爆発してしまうこともあります。そのため、マイナスの感情を少しずつ小出しにするように心がけることが重要です。

気が弱くて悩んでいる方々におすすめの、ちょっとしたテクニックがあります。それは、少しだけ顔を上げることです。例えば、会議の場で気が弱い人は、自分の手元やテーブルの真ん中あたりを見ていることが多いのですが、少し顔を上げて、相手の顔を見て発言してみましょう。

目を見ると緊張する人もいますからあごのあたりや首でもかまいません。手元やテーブルの真ん中ではなく、相手がいる向こう側に目線を向けることで、自然に声も大きくなります。相手の顔を見て、大きな声で話す。それだけで自分の言葉の伝わり方は大きく変わります。

技術的な問題で、気持ちが届いていないということもありますが、新しい方法を取り入れるうちに、あなたが新しく自分で選び取ったライフスタイルがあなたの心身になじみ、あなたの一部として固定されていくはずです。

まず小さい目標である「相手の顔をみる」を達成することで自己肯定感が上がる効果もあります。くわしくは「少しずつ行動して自分時間を作ることで自己肯定感が上がる」で解説していますが、自分のやってみたいという気持ちを素直に行い自分の可能性を信じて自己肯定感をあげましょう。

自分自身が選んだ新しいライフスタイルを取り入れることで、徐々に心身が変化していくのです。限界になるまで感情をため込んでしまうことがなくなり、少しずつ小出しに吐き出すことができるようになります。その結果、自分自身が軽くなり、悪い方向へ向かっても簡単に軌道修正することができるようになります。

与えられた場所で懸命に生きようとすることで自己肯定感は上がる

「ストレスばかりの今の仕事、もう限界」という悩みに直面したことはありませんか?しかし、置かれた環境をどう捉え、どう対応するかは自分次第です。

働くことに悩みはあるものです。ストレスフルな状況が長く続けば、「自分はこの仕事に向いていないんじゃないか。こんなストレスを抱えるくらいならば、辞めたほうがいいんじゃないか」と考えてしまうかもしれません。

会社という組織で働く以上、自分で環境を選ぶことはできません。もしかすると、希望する部署から異動になってしまい、落ち込んでしまうこともあるかもしれません。そんな時に、短い期間で「自分にはこの仕事は向いていない」と判断してしまうのは早いです。

そういった人は組織が決めた決定に、自分の生活の手綱を譲ってしまうことで、どんな職場に行っても、嫌なことがあるたびに「自分は向いていないんじゃないか」と悩み続けることになります。

最悪な環境でも頑張って仕事をした経験は自信になる

職場の環境が自分に向いていないんじゃないかという感覚は決して多くの人が感じるものではありません。自分の感覚が仕事に向いていないと感じているものです。逆に言えば自分が置かれた環境をどう捉えるかは自分で決めることができるということです。

自分の置かれた環境で頑張ることができる場合もあれば、環境に合わせた対処法を見つけることができる場合もあります。自分の意思をもって仕事に取り組むことで、運命を自ら切り拓くことができるのです。

ただ頑張る選択をしたときも自分の限界の範囲で行うことで自己肯定感があがります。「今の自分はこれでいいと感じることで自己肯定感がアップ」で解説していますのでご覧ください。

心理学の立場から考えると、「自己決定性」という考え方が重要です。人間は過去や環境に縛られているわけではなく、自分自身が自らの運命を創造する力を持っているということです。例えば、劣悪な環境で育ってきたとしても、自分が自らの意志で自分の人生を決めることができるのです。

重要なことは、自分自身が自分の人生を切り開くことができるという自己決定性を信じることです。不本意な状況でも、自分自身が主人公であることを意識し、積極的に自分自身の人生を切り拓いていくことが大切なのです。

まとめ

いかがだったでしょうか?自己肯定感を高めたいと思っている人に向けて人に振り回されないで生きる方法を解説しました。

大事なポイントを箇条書きにしました

完璧ではなく「普通」を目指して自己肯定感をあげる
高すぎる理想が劣等感を引き起こすので普通でいる勇気をもつ

失敗するというレッテルが失敗する部下(子供)をつくる
上司(親)は自分の考え方と行動を変えることで、できない部下(子供)を生み出さないようにできる

自分の性格を決めつけて、不幸の原因だとすることは自己肯定感を下げる
マイナスの感情を少しずつ小出しに吐き出す

置かれた環境をどう捉え、どう対応するかは自分次第
最悪な環境でも頑張って仕事をした経験は自信になる
自分の意思をもって仕事に取り組むことで、運命を自ら切り拓く

上記ポイントを意識してストレスとうまくつきあっていきましょう。

他にも下記のようにストレスとうまく付き合って自己肯定感を高める記事がありますので参考にしてみてください。

「あいつがうらやましい… -嫉妬の正体-」

「怒りという感情を知って自己肯定感をあげよう」

「なんで自分は自信がないんだろう 自己肯定感が低い理由」

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