今回は自己肯定感を下げる原因であるイライラや怒り、むかつきをなくすための対処法について解説いたします
ポイントになるのは下記の4つです
イライラしたり怒りの原因は被害者意識
被害者意識をやめるには受け止め方や捉え方を変える
決めつけをしないで常になにか事情があると思いやる
自分なりの正義がイライラを引き起こす
イライラしてしまうのは致し方ないことではありますが、怒ってからなんとかしようするよりは「そもそも怒らない」ほうが幸せに生きることができます
怒りやすい人は自分で怒るストーリーをつくって自分の意思でみずから怒っています
ではどのようにすれば怒らない人になれるのか見ていきましょう
被害者意識をなくす方法
イライラやムカつきという怒りの感情は、自分が何らかの形で被害にあっていることを知らせてくれる感情です。
予定が思い通りにいかなかったり、心の傷を抱えたりすることも一種の被害です。
そして、その被害に対してイライラしたりする怒りを感じることは、被害者意識があるからということが多いです。
イライラしたりする怒りを感じること自体が悪いわけではありません。
しかし被害者になることが習慣になってしまうと、自己肯定感は下がります
すると怒りが増幅されてしまい、自分自身が辛い思いをすることになります。
ですから、イライラしたりする怒りを感じる前に、まず自分が本当に被害者なのかどうかを冷静に判断することが大切です。
イライラしたりする怒りをコントロールするために自分自身を客観的に見つめ直すことが必要です。
イライラしたりする怒りという感情は、自分自身が抱えこんでしまっている感情です
怒りという感情を考えてみて、そもそもが被害者でないなら被害は生まれずイライラしないことになります
ではどのようにすれば被害者意識をぬけるか見ていきましょう
イライラしたりする怒りは状況のとらえ方で変わる
イライラしたりする怒りの感じ方は状況によって異なります。
また、人間という生き物には反射的なイライラしたりする怒りを手放すことが難しいという一面があります
しかし反射的な一瞬の怒りではなく自分自身がイライラしたりする怒りを継続するかどうかは自分で決めることができます。
それは受け止め方やとらえ方をかえることができるということです
なにかイライラするときがあったら「自分への攻撃」と受け取らなければ安全で心の平穏が保たれて自己肯定感が上がります
たとえば、二人で会っているときに長電話をされると、ついつい自分が粗末にされたとイライラしたりする怒りを感じてしまうかもしれません。
しかしあなたが分かっているのは「相手が長電話をした」という事実だけです
相手がわたしと一緒にいるのにもかかわらず、なぜ長電話をしたのかは本当のところわかりません。
相手が電話の相手と自分でどちらのほうが重要か比較した上で長電話したのか
まったく関係のない理由で電話をしたのか
電話をきれない理由があったのか
わからないので、長電話をしたという受け取り方にはさまざまな選択肢があります。
ここで自分を粗末に扱ったという思い込みをすると自分で自分を傷つけてしまい自己肯定感が下がるきっかけになってしまいます
「粗末にされた」と受け取らなければ、被害者になることもありませんし、イライラしたりする怒りにとらわれることもなくなります。
こういったことを意識することによって、自分自身が安全で心地よいと感じる新しい習慣を身につけることができます。
自分で自分を傷つけて自己肯定感を下げないで
自分が自分を傷つけていることに気づかないと、他人の行動に対して過剰に反応してしまうことがあります。
例えば、いまの長電話のケースがもし他人の場合であって、「長電話されてムカついたんだよ」と相談されたらどうでしょうか?
普通そういう場合は「あなたが粗末にされたんだよ」とは考えませんよね。
客観的にみると
「単に長電話しているだけだし、状況はこまかくわからないけど相手になにか理由があったんじゃない?」
こんな程度でわざわざ粗末にしているとはみなさないはずです
しかし「自分が粗末にされてしまった!」というストーリーをつくってしまうと被害者になると怒りを感じ、ひいては粗末にされたという思いから余計に傷つけられます
逆に「まぁなにか理由があったのかな?たまたまだし」と捉えることで粗末にされたわけではなくなにかしら事情があったということで自分自身を守ることができ、自分自身に対して優しくすることができます。
こういった考え方は自分を肯定的に捉えられ幸福度につながってきます
勝手な被害者ストーリーをつくり自分で自分を傷つけて、傷ついていることに気づかないまま、相手にイライラしたりする怒りを向けると、自分自身が余計に苦しむことになります。
もし本当に相手が悪意をもってあなたの時間を粗末にしていたらどうしましょう?
どんな悪意があろうとも、なにかの事実から自分がどのように感じるかは自分自身が決めることです。
それは相手自身の病的な問題であり、自分が悪いわけではありません。
その人はなにかしらの原因で病んでいるので私に対して攻撃するのも仕方ない、今後の付き合い方を考えようと前向きにとらえましょう
反射的な怒りはするかもしれませんが、ずっとイライラすることはなくなるはずです
自分が感じた感情は外れることが多い
自分を傷つけているのは、実際の出来事ではなく自分が作り出したストーリーであることに気づいたら、自分で被害者感情を手放すことを考えてみましょう。
相手に期待している役割を調整することで、相手の行動の意図がわかり、現実に即した判断ができるようになります。
この長電話の件でも、相手に事情を聞いてみると、取引先からのプレッシャーがあって手続きが複雑で時間がかかるため、長くなってしまったということがわかったら被害者感情もなくなるでしょう。
相手の状況を理解することで、最初に作り上げたストーリーが外れることが多いという経験を積むことで、感じ方が変わってくるかもしれません。
被害者意識をもたなくなるコツをつかんで自己肯定感を上げて
被害者意識をもたなくなるコツは、粗末にしてやろうという確信があるまでは待つということです
相手に長電話されたときに「私は粗末にされた」というストーリーを完全に否定することではありませんし、ポジティブな考え方を無理やりすることでもありません。
大事なことは被害者意識がでてくるのはいいのですがそれを確信しないようにすることが大切です。
相手が「ここで長電話をして私のことを粗末にしてやろうと思っている」という証拠がない場合は判断を待つことにしましょう。
つまり自分が被害に遭ったと感じた場合でも、証拠が揃うまでは断定しないことを習慣づけると良いです。
証拠がでないなら違う可能性もあるということを理解してください
怒らない人になる方法
自分自身の外側で起こることについて、分かることはほとんどないです
それは、他人の事情をすべて知ることができないからです。
そのことを理解することが怒らない方法です
例えば、さきほどの相手の長電話は、相手のテリトリーで起こっていることです。
他人のテリトリーで起こることについて、何かを断言することはできません。
常に、私が知らない何かがある可能性があるのです。
相手自身が何も事情はないと言うときですら、そうとは限りません。
自分自身がすべての事情を理解している人は存在しませんし、無意識の問題を抱えている人も多いです。
自分の外側は分かることがほとんどないことに気づくと、確実でもないものを断定して怒ることはナンセンスだということに気づきます。
怒らない方法とは
自分の外側の事情はわからない、だからなにか事情があるんだろう
と考えることでイライラしたりする怒りを感じなくできるようになり嫌な感情を捨てることができ自己肯定感が上がります。
証拠が固まってから怒るというプロセスに従うと、怒る機会はまずやってこないことに気づくでしょう。
決めつけや評価は相手も自分も傷つける
あいつはいつもだらけていて仕事をしない、イライラする
評価や決めつけは暴力的な行為であり、相手に対してだけでなく、自分自身にとっても有害です。
相手に対してだらけているという決めつけをするとイライラすることもあります
しかし問題なのはその決めつけや評価の矛先は自分自身にも向けられることです。
決めつけたり評価をする人は、自分自身にも決めつけや評価をする傾向があります。
そのため、本当の自信がなく、小さなことでイライラしてしまうのです。
このようなピリピリした姿勢は、自己肯定感を下げる要因となってしまいます。
決めつけるクセをなくして自己肯定感をあげよう
相手も自分も傷つけることになる「決めつけ」を手放すことが自己肯定感を上げるために有効です。
私達は嫌なことがあったときは勝手になにかを決めつける癖があります
ATMでの並んでいるけど前の人が遅くてイライラする場合
自己肯定感が下がる決めつけはこうです
運が悪い、なんでみんなこの時間にATMつかうんだ、普通ならもっと早くできるでしょ…
現実に起こっていることはATMを使うのが少し遅くなるという事実だけです
そのイライラを引き起こす決めつけや評価やストーリーをつくらないことで、「次は余裕を持って利用しよう」とより穏やかな心で現実に向き合うことができます。
待ち時間が長いうえに、決めつけや評価やストーリーを勝手に作ることで自分をより苦しめる必要はありません。
心に余裕を持った生き方を目指すことで、より良い未来が待っていることでしょう。
自分なりの正義がイライラを引き起こすということを意識して
いままでの紹介で決めつけや評価をしないほうがいいという考え方は理解できているけれど、実際にそうすることは難しいと感じることがあります。
特に、自分が間違っていると思うことを受け入れることに抵抗を感じることがあります。
イライラしたりする怒りを手放すには、正しさや間違いについてよく考える必要がありますので見てみましょう
自分なりの正義
決めつけや評価によってイライラしたりする怒りを生み出すこともありますが、それぞれには自分なりの正義があります。
しかしこれは個人的なものであり、他の人にとっては正しくないこともあります。
自分の正義を主張し続けることは他人とぶつかることになります。
一人ひとりの事情が違うため、相手によっては正しさが異なることもあります。
ATMが遅いのも使っている人がおばあちゃんでいつもよりは早くできたと思っているかもしれませんし、他の人からみたら普通じゃない?と思っているかもしれません
「私が遅いですか?それってあなたの感想ですよね」といわれればそれまでです
綱引きのように、自分が正しいと思えば相手も自分が正しいと言うことになります。
正しさの綱引きに勝利はなく、相手を論破することもできません。
正しいかどうかの勝ち負けなんかない
強く言えば何とかなると思い込んでいる人もいますが、現実にはそう簡単にはいかないことが多いです。
暴力的に強く言えば相手の行動は変わるかもしれませんが、相手に恨みを買うことになる可能性もあります。
正しさの綱引きに勝つことはできないので、そのことを忘れずにいることが大切です。
相手の価値観や事情を思いやることができるように
イライラしたりする怒りを手放すためには、どちらが正しいという不毛な議論から脱することが重要です。
自分の考えを曲げる必要はなくて、大切にしている価値観をもちながら、相手の事情を理解し、相手のありのままを受け入れることができるようになるのが理想です
「(自分の価値観では)自分が正しいことを言っているんだ!」ではなくて「なにか事情があるのかな?」とおもうようになればイライラしたりすることは少なくなるでしょう
相手の事情をよく知ることで、相手の立場や背景を理解し、相手を受け入れることができるようになります。
現実的な被害があるときは行動しても大丈夫
相手の事情を思う心の姿勢と現実の行動は別々に考えると良いでしょう。
相手の事情を理解して言動を受け入れるということは、相手がひどいことをしても大目に見てしまうということではありません
イライラしたりする怒りをおこさないようにするには相手を思いやる必要がありますが、実害があった場合は現実的な対処法を見つけることが大切です。
例えば、相手から損失を被った場合は、相手の事情を思いやってイライラしたりする怒りを手放した上で、実害の弁償の分は相手に請求する行動をするということです。
怒りを手放すことは、心の姿勢を変えることを意味しますが、弁償を請求する行動は、心の姿勢とは別次元のものです。
その行動を取るときにどのような心の姿勢を持つかを選ぶことができます。
なにかを請求する行動を起こすことは本来大変なことです
イライラしないで実害をたんたんと請求する行動と怒りで燃え上がりながら請求するのはさらにあなたを消耗させてしまいます。
また、イライラすれば気持ちのコントロールが難しくなり、効果的に話し合いを進めることができなくなる可能性があります。
このように、現実の行動と相手を思いやる心の姿勢を区別する考え方は、さまざまな場面で応用可能です。
例えば、忙しいときに営業や勧誘の電話がかかってきたとき
相手に対して忙しいときに電話してくるなよとイライラしてしまうのではなく、相手の事情を考えることが大切です。
例えば、相手は、今日契約が取れなければ生活が苦しくなるから、必死に努力しているのかもしれません。
イライラを無くしながら断ることはできる
相手のことをそうやって見ることができれば、イライラを手放すことはできるでしょうが、では行動面でも相手につき合ってあげる必要があるのかというと、それは全く別の話です。
上記のようにイライラしないという心の姿勢と弁償の請求をするなどと同じで、電話の勧誘を断るという行動は、十分両立可能なことです
申し訳ありませんが、今は忙しくて対応できません。
ごめんなさいと電話を切り、もしもまたかかってきたら、もうとらなくてよいでしょう。
イライラしながら電話の勧誘を断って電話を切る場合とイライラしないで電話を切るという行動は同じでも、その後の仕事への集中力は変わるでしょう。
ただでさえ忙しいときに、集中力まで落ちたら大変です。
イライラという感情を起こさず「みんな大変なんだな、頑張ってるな」と思えば、それ以上その出来事に影響を受けずにすむと思います。
繰り返しですが重要な部分は断るという行動にあるのではなく、相手の事情を思いやる心の姿勢にあるのです。
長々とした愚痴でもイライラしない方法
相手に愚痴られて、イライラしてしまいました。
人の話を聞く時に、同じ話を繰り返されたり、長々と愚痴を聞かされるたりすると、ストレスを感じますよね。
もちろん、聞かなくても良い話は無視すればいいと思いますが、上司や奥さん、旦那さんなど中には聞かなければならない話もあります。
そんな時には相手の話に集中してみてください。
愚痴を聞き始めてしばらくすると、長々と続くだろうなどという考えが浮かんでくるのが普通ですが、それを一旦脇に置いて、相槌だけして相手の話に集中してみてください。
相手の愚痴に集中してアドバイスや余計な決めつけ、共感もせずにただ話を聞くことに集中します。
こうすることで、話が短く終わることもあります。
これは理由があって、アドバイスや余計な決めつけをすると時として愚痴の相手は防衛反応をとってしまって正当化する話が始まるからです
共感してしまうと相手が話に気持ちよくなってしまってまた話が長くなります
この方法を試してみると、とても心地よく話を聞くことができます。試してみる価値があると思います。
まとめ
いかがだったでしょうか
自己肯定感を下げる原因である怒りやイライラ、ムカつきについて解説して怒らないようにするための方法をみてきました
ポイント
物事を常になにか事情があると思いやり、被害者意識をもたない
決めつけたり評価をする癖をなくし、正義は人それぞれにあることを理解する
その正義はどちらかが正しいのか決めつけない姿勢をもつ
怒りも良い方向にむけば行動の原動力になりますが、多くは自己肯定感を下げて後悔することが多いやっかいな感情です
自己肯定感にマイナスの影響を与える怒りをうまくコントロールして自分を取り戻すきっかけになれば幸いです
ほかにも怒りについて解説しておりますのでよかったらみてみてください
イライラしない、させない、話し方 自己肯定感を高めるコミュニケーション術
その怒り履きたいと違うから 怒らないようにして自己肯定感をあげよう
心理カウンセラーの近江ひかり(オウミヒカリ)といいます
感情の研究や心理学に没頭。
心理カウンセラーとして長年の経験を生かしてブログを書いています。
なにか理由がわからないけどしんどいなぁと感じるときは心の悩みかもしれません。
自分という存在を解放して自分が好きになれたら人生が楽しくなります。
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